世界のAIニュースを、
毎朝ひとつの紙面に
AI朝刊
THE AI MORNING NEWS
第307号
朝刊
2026年(令和8年)11月3日
火曜日
2026年(令和8年)11月3日火曜日 朝刊 本日の掲載 102本 見出しは出典リンク
トップ

Anthropic、四半期の売上が約170億ドルに

修正S-1で第3四半期を開示 日本の投資家から最大35億ドル
売上は前期比47%増、前年同期の約12倍
計算資源の契約は8,950億ドル、純損失は大半が非現金

修正版S-1で初めて第3四半期の数字を開示。売上は約170億ドル(169.6億ドル)で、第2四半期の115.6億ドルから47%増、前年同期の約12倍。1〜9月の累計は332.4億ドル。計算資源の契約は8,950億ドル。第3四半期の営業損失は5億6,700万ドル、純損失は233億ドル(大半は非現金)。

東京での届け出によると、最大5,529億円(約35億ドル)の新株を日本で販売し、国内販売はみずほが主導。SpaceXの上場で日本の投資家が得た22億ドルを59%上回る規模。投資家側は評価額1.5兆ドルを目安にしており、ロードショーは11月9日の週から、感謝祭前のNasdaq上場をめざすと報じられた。

AIの会社が上場前にここまで具体的な数字を出すのは珍しく、市場が「AIは稼げるのか」を疑う週に、ひとつの答えを示した形だ。

約170億ドル
Anthropicの2026年第3四半期の売上

AI各社の動き

OpenAI/Anthropic ほか

OpenAI、Dotsに「GPT-6.1 Terra」、Plusプランにも

GPT-6.1 TerraはGPT-6 Astraより3倍以上速く、トークン単価は約10分の1。Dotsが仕事ごとにモデルを選び、途中で切り替えることもできる。20ドルのPlusでも使える形が見えてきた。

Meituan「LongCat-2.5」:総1.6兆・アクティブ480億パラメータ

画像とテキストを共通の基盤で扱う。APIを公開し、新規ユーザーには1,000万トークンを無料、入力は100万トークン0.30ドル。Terminal Benchで88.4(自社集計、第三者の検証はこれから)。

Deep Principle「Hydrogen-1.0」

GLM-5.3を実験記録で追加学習した科学研究向けモデル、FrontierScience-Research 38.3%(GPT-6-Astraは33.3%)、GPQA-Diamond 93.0%、MITライセンス

NVIDIA「Nemotron 3.5 Transcribe」

40言語の文字起こし・話者ラベル・翻訳を1つのオープンモデルで。最長1時間の音声に対応し、NVIDIAはオープンASRリーダーボードで首位としている。

Anthropicの研究者ら:事前学習の0.1%の毒が、後のエージェントを動かす

事前学習データのわずか0.1%に毒を混ぜると、きれいな追加学習を経ても、コマンドラインのエージェントが「curl | bash」を実行するようになった。

社会・ビジネス

「→意味」欄は要点の解説

「AIに置き換え」→「戻ってきて」が約5人に1人

SHLの米国労働者1,000人超の調査で、19.1%がAIを理由に解雇・置き換えされた後、同じ会社から復帰を求められた。Gartnerは2029年までにAIで置き換えられた人の約30%が再雇用され、多くは高いコストになると予測。

→意味人を減らすのは簡単でも、書かれていない仕事は消えない。削減の前に仕事の中身を測っておく必要がある。

若手と「生まれなかった仕事」

Stanfordの給与データでは、AIの影響を受けやすい職種の22〜25歳の雇用は、影響の小さい職種の伸びより19%低い。欧州委員会のエコノミストは、AIによる雇用の純減の証拠はまだないが、2035年までに新しい仕事が30万件少なくなりうるとした。

→意味解雇の数字だけを見ていると見落とす。影響は「採用されない」形で先に出ている。

Revolut、コーディングAIをオープンなGLMへ 費用は10分の1

エンジニア2,000人のAIを、借りたGPU(B200を56基)で動かすZ.aiのGLMへ移し、費用は10分の1、コーディング時間は60%、リードタイムは70%短くなった。難しい作業にはフロンティアモデルを残す。ReplitのCEOは、1億ドルの契約をAnthropicからOpenAIへ移して30%以上節約したと述べ、定額20ドルのプランは値上げか制限に向かうと警告した。

→意味「最高のモデルを全員に」から「作業ごとに安いモデル」へ。AIの費用が経営の判断事項になってきた。

Goldman Sachs、AIコーディングを技術者1万2,000人に限定

生産性とリスクの社内レビューを受け、Claude CodeやGitHub Copilotの利用をエンジニアに絞り、トレーダーやバンカーへの開放をやめた。自分でツールを作っていた社員からは不満が出ている。

→意味全員に配る段階から、誰が使うと効果が出るのかを選ぶ段階へ。金融はリスクの重さが違う。

【続報】フィリピンBPO:人は増えたが、見通しは下へ

業界の雇用は2025年に189万人まで増えた。ただしIBPAPは7月に2028年の目標を下げ、悲観シナリオでは今より人が減る。最も影響を受けるのは新人と音声の仕事で、足りないのは「仕事ができて、AIも使える人」。

→意味フィリピン経済の柱にとって、問題は仕事の数より中身。AIを使う側に回れる研修が鍵になる。

日本:AIエージェントの利用はまだ3.3%、格差拡大の心配は18.8%

矢野経済研究所の500社調査で、生成AIを「全社的に活用」は11.3%、「一部の部署」は32.1%(2023年は1.3%と8.6%)だが、AIエージェントを利用中は3.3%。帝国データバンクの調査では、活用企業の18.8%が悪影響に「能力や成果の格差の拡大」を挙げ、情報流出の0.7%を大きく上回った。

→意味導入率は上がっても、エージェントはこれから。評価の基準を先に決めないと、社内の差が不満に変わる。

住友生命、所定労働時間を7時間半に 生成AIに約200億円

賃金は維持したまま8時間から7時間半へ短縮。生成AIへの投資で浮いた時間を、仕事の上積みではなく早い退勤や自己啓発に回す狙いだと紹介された。別の投稿では、生成AIで作業時間が平均17%縮んでも、労働時間が減った人は25%だけという数字も出ている。

→意味AIで浮いた時間を誰のものにするか。制度で決めないと、時間は仕事で埋まる。

特許庁、審査に生成AIとMCP連携の工程表

過去の特許との比較表づくりや通知書の下書きをAIで自動化し、機密を守るため庁内専用のAIサーバーを作る「業務変革ロードマップ」を公表。

→意味専門性が高く機密の多い行政の仕事でも、閉じた環境でAIを使う形が具体的になってきた。

医療:AIで看護師が心エコー、しかし医師の「腕が落ちる」懸念も

Duke大のRURAL研究では、心エコーの経験がない看護師やCT技師14人が2時間の研修とリアルタイムのAIの案内で、専門家が99%以上計測できる画像を撮った。一方、Lancet系の研究では、AIを3か月使った医師のAIなしの検出率が28.4%から22.4%に下がった。米国の成人の60%は医師がAIで判断することに不安を感じている。

→意味人手の足りない地域を助ける力と、技能が落ちる危うさは同時に来る。使い方の訓練が両方の答えになる。

創作と著作権:NYTがBraveを提訴、Steamの新作の約半数がAIを開示

New York Timesは、Braveが300億ページ超の索引を作り、AI企業向けの検索APIで収益化したとして提訴。Steamでは、AI利用を開示した作品の割合が2024年1月の1.7%から2026年10月には49.9%に増えた。開示した作品の好評率は77%で、ほかの83%より低い。

→意味学習データの出どころと、作品にAIを使ったかの表示。創作の市場で「透明性」が値段に響き始めた。

教育:米国のコンピューターサイエンス入学者が12.4%減、PurdueはAIを全学必修に

4年制大学のCS専攻の入学者はこの秋12.4%減った。Purdue大は全学部の学部生にAIの授業を必修にした。

→意味AIは情報系だけの専門から、全員の一般教養へ。「プログラマーになる」以外の道で学ぶ時代になった。

短信・細かいニュース

2026-11-03 現在 各項目は出典へのリンク

ローカルLLM16件

開発ツール14件

論文・研究15件