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THE AI MORNING NEWS
第308号
朝刊
2026年(令和8年)11月4日
水曜日
2026年(令和8年)11月4日水曜日 朝刊 本日の掲載 107本 見出しは出典リンク
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企業のAI支出、1年で5.4倍の約1,770億ドル

Menlo Venturesの年次リポート API支出の55%をAnthropicが占める
フロンティア研究所がLLM API支出の86%
アプリ市場770億ドルのうちコーディングが340億ドル

Menlo Venturesの年次リポートによると、2026年の企業のAI支出は5.4倍の約1,770億ドルに膨らんだ。OpenRouterのような基盤では、トークンの80%を自律エージェントが生み出しているという。

LLMのAPI支出はAnthropicとOpenAIなどフロンティアの研究所が86%を占め、Anthropicのシェアは55%に上昇、Googleは9%に下がった。アプリ市場770億ドルのうち、最大はコーディングツールの340億ドル。導入企業の65%で使い方が深まっている。

市場では「AIは元が取れるのか」という疑いで株が売られる一方、企業の財布からは実際にお金が出ていることを示す数字だ。

約1,770億ドル
2026年の企業のAI支出(Menlo Ventures)

AI各社の動き

OpenAI/Anthropic ほか

OpenAI「Pando」:エージェント時代のGit

OpenAIの巨大モノレポ向けに作ったGit互換のシステム。Codexなどエージェントのコミット急増に対応し、pushの待ち時間の中央値を80%短縮、1日1ペタバイト近くをさばく。Rust製で10週間、中心設計は1人で、コードの多くはエージェントが書いた。

OpenAI、AIで機械・電子設計

GPT-6 Astraが、Codexに話しかける小型デバイスの筐体・基板・UI・ファームウェアを担当し、人の手直しを経て少量生産された。Chip Ganassi RacingやMazdaとも協業。社内モデルはBenchCAD 2.0で0.875と、GPT-6 Astraを47%上回った。

Anthropic、15人のチームで独自AIチップ

Claudeを使って設計・エンジニアリングの時間を縮めていると、エンジニアが話していると報じられた。Claudeの学習と推論を自社チップで動かしつつ、GoogleやNVIDIAなど複数の供給元も続ける。ベンチマークはまだ公開されていない。

Anthropic「FlashProve」:どのモデルの答えかを証明

ゼロ知識証明で、重みを見せずに「この出力は特定のモデルが出した」と示すオープンソースの試作。H100 1枚で400BのLlama 4 Maverickに約110トークン/秒。証明には通常の推論の70〜95倍のGPU時間がかかる、まだ実験段階だ。

Altman氏「社会はAIの負の面も受け入れるべき」

POLITICOのインタビューで、より軽い規制を求め、利益のために一部の負の面は受け入れるべきだと述べた。一方で、AIの制御を失うような破局的リスクには明確な線を引くとした。

ChatGPT、週間ユーザーでインドが米国を抜き首位

OpenAIインドの責任者によると、インドの週間アクティブは1億人超。世界では週12億人、画像は週15億枚、広告はすでに年換算10億ドルを超えたという。

CrowdStrike「AI Kill Switch」と2社買収

暴走したAIエージェントを即座に止め、再起動とネット接続を遮断し記録を残す機能を発表。エージェントの判断を観測するFiddler AIを約4億ドル、自動セキュリティテストのDreadnodeを9,500万ドルで買収する。

社会・ビジネス

「→意味」欄は要点の解説

AIが理由の人員削減、1〜9月で約12万人

Challenger, Gray & Christmasのデータでは、2026年1〜9月に発表された米国の人員削減57万3,195人のうち、12万136人(約21%)でAIが理由に挙がり、理由別で最多。別の集計では、2026年のテック業界の解雇のうちAIが理由のものは世界で68.8%、インドで38.9%とされる。

→意味「AIのせい」と言える削減が増えている。本当にAIが仕事を置き換えたのか、コスト削減の口実なのかを見分ける目が必要になる。

IMF、7億件の求人を分析:AIにさらされた仕事は約6%少ない

110か国・2021年末〜2026年4月の求人7億件を調べたところ、AIの影響を受けやすい職種の求人は、そうでない職種より平均で約6%少なかった。AIは採用を減らす面と増やす面を同時に持つという。

→意味雇用が一気に消えるのではなく、求人の段階でじわじわ形が変わる。転職市場で求められるスキルの変化を先に読むことが大事になる。

英国の大卒向け求人広告、前年比43%減

英国で大卒向けの求人広告が前年同月比43%減の7,826件となり、2016年の集計開始以来の最低水準に。企業の採用コスト上昇や景気減速も影響しているとされる。

→意味AIだけが原因ではないが、若手の入り口の仕事が細っている。新卒が経験を積む場をどう作るかが社会の課題になる。

フィリピン:AIによるBPOの解雇で「生き残りのための起業」の波か

AIによるBPO業界の解雇をきっかけに、フィリピンで再び「生き残りのための起業」が広がるかもしれないという投稿が注目された。BPO・CX業界ではAIが「質問に答える」段階から「労働力の一部」になりつつあると、先週の動きをまとめる投稿もあった。

→意味BPOはフィリピン経済の柱。職を失った人が小さな商売に流れるなら、地域の生活サービスやそれを支える仕組みの需要も変わってくる。

フィリピン・タルラックの半導体拠点計画に反対の声

米国が後押しするNew Clark City・カパス・バンバンの1,620ヘクタールの計画は、AIのサプライチェーンにつながる先端製造・半導体の拠点として数十億ドルの投資と数千人の雇用を掲げる。SNSでは、アエタ族の先祖伝来の土地や農地との重なり、立ち退き、水や電力への負担を心配する声が広がっている。

→意味AIの「物理的な土台」は、土地・水・電力を地元と取り合う。雇用の約束と暮らしへの影響をどう折り合わせるかが問われる。

日本・アジア:AI前提の運営で業務増を吸収

LINEヤフーコミュニケーションズは「生成AI前提の運営モデル」に転換し、年36万時間相当の業務増を人を増やさずに吸収したと紹介された。シンガポール全国使用者連盟(SNEF)の調査では、人事にAIを使う企業の49%が採用・選考に使い、約3,000件の事例の85%で判断に人が関わっていた。

→意味日本では人手不足を埋める道具としてAIが入り始めている。「人を減らす」より「人を増やさずに回す」形が主流になりそうだ。

EU司法裁判所の法務官「Geminiはニュースの著作権を侵害しうる」

ハンガリーの出版社がGoogleを訴えた件で、法務官が拘束力のない意見を出した。チャットボットが有料記事の壁を回避したり、元の記事の代わりになる形で内容を再現したりすれば侵害になりうる。一方、AIの学習そのものはEUのルールで原則認められるとした。

→意味「学習はよいが、記事の代わりに答えるのは問題」という線引きが見えてきた。AI検索とメディアの収益の関係に影響しそうだ。

Google、K-12の生徒向けGeminiを既定でオフに ただし検索とセット

来年初めから、小中高の生徒アカウントではGeminiのAI機能が既定でオフになり、管理者が個別に有効にできる。ただしAIを完全に止めた学区は、統合のためGoogle検索も使えなくなるという。批判する側は独占的な抱き合わせだと指摘している。

→意味学校がAIを「使わない」選択をしにくくなる。教育現場の判断が、技術の都合で狭められる例として注目される。

AIの買い物代行、支払いでつまずく

AIエージェントがサイトを見て商品を選び、支払いまでする動きをMetaやStripeが進める。ただ、カードの切り替えで特典が失われる、取引がブロックされるといった支払いの問題が目立つ。Stripeではエージェント経由の購入が38倍に伸びたが、VisaのCEOは「まだごく初期」と述べた。調査では、多くの人は探すのはAIに任せても、最後の購入は自分で決めたいと答えている。

→意味「AIが買う」時代の壁は技術より信頼と決済の仕組み。小さな店でも、AIから見つけてもらえるかが集客の鍵になっていく。

創作とAI:ゴジラ短編のAIカットに批判、アニメ会社は削除要請

11月3日に東京のゴジラ・フェスで公開された短編『フェス・ゴジラII』は、着ぐるみやミニチュアが称賛される一方、AIで作った数カットに厳しい批判が出た。アイルランドのCartoon Saloonは、自社作品に似たAIアニメに削除を申し立てた。

→意味ファンはAIを使ったこと自体に敏感だ。作り手は「どこにAIを使ったか」を説明する責任を負う時代になっている。

香港金融管理局:銀行のAIエージェントには「名前のある責任者」を

HKMAの討議文書は、銀行のAIエージェントは承認された業務目的のためだけに動き、業務・技術・統制のそれぞれに名前のある責任者を置き、安全な状態に戻すキルスイッチを持つべきだとしている。

→意味エージェントを規模で使う前に「誰が責任を持つか」を決める流れ。金融から他の業界へ広がりそうだ。

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2026-11-04 現在 各項目は出典へのリンク

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